微妙という噂は聞いてたけど、なるほど、その通りでした。
前半がたるいったらなかったよ。
1940年代のアメリカの暗部の雰囲気はめちゃめちゃ出てたしセットも完璧だったけど、楽しみにしてたブラック・ダリアがなかなか出てこない!
冒頭30分ほど、一見関係なさそうな小ネタがあれこれ出てきて、おいおい大丈夫か収拾つくんですかって心配になるほどだった。どちらかというとその小ネタの中にダリアネタも混ざってたっていう印象が強かったな。
まぁ最終的に全てがつながっていったけど、けっこう強引。ラスト30分は怒涛の種明かしラッシュで金田一も真っ青。怒涛すぎてついて行くのにもう必死って感じ。数々の謎があれよあれよと明かされていくスッキリ感はあったしやっと動き出した展開は面白かったけどね。
この怒涛の種明かしの不満っていうかダメなところは、ほとんどセリフだけで進行してしまったところ。過去のシーンを上手くからめながら観客に「ああ、あの時そういえば!そうだったのかー!」ってびっくりさせる仕掛けが非常にイマイチでした。多少そういう映像も挿入されてたけど、ほとんどは誰々がどうしたのこうしたのだけ。この辺金田一シリーズはよくできてたと思う。
そんな突然名前言われてあれよあれよとぶっちぎられても、一体その名前がどの人だったのか咄嗟に理解できませんて。しかもわざとなのか何か知らんけど、ぼやかして登場させてる重要人物もいたし。
あと個人的なことですが最高にイライラしたことが。やっとブラック・ダリアの死体が登場したとき。肝心の大事な部分が字幕がジャマすぎて見えへん!!!真っ二つになってる死体の上に思いっきり字幕ですよ。しかも死体シーンの間ほぼずっと字幕かぶり。わざとですかー。
死体の時だけ右横に字幕を移動させるくらいの気を利かせてよ!
映像についてはセット同様素晴らしいものでした。さすがデ・パルマ。ヒッチコックを彷彿とさせる撮影手法はもちろんのこと、どこかで観たようなシーンも何箇所か。それなりに印象的で魅力が備わっているのはパクリ監督の本領発揮ってところ。陰影の付け方もムード満点だったし。
ブラック・ダリア役の女優さんが最高にはまっていて、その彼女の過去のフィルムの映像も素晴らしかったです。これは刑事さんたちが魅了されてしまうのも無理はない。
他の俳優さんたち、特にスカーレット・ヨハンソンはダメダメでした。彼女あんなに大根でしたっけ?すっごい無理して合わない役柄を演じてるように思えてなんかなえた。主役のジョシュは相変わらず地味で無難っちゅうか、助演のエッカートにくわれまくり。ヒラリー・スワンクはまぁあんなもんかな(笑)
キャスティングが違えばまた見方も変わったかもしれない・・・。
一つどうしても突っ込みたい。なんでみんなあんな突然野生に帰ったかのように超発情してしまうの?おいしそうなチキンが乗った食卓をぶちまけるほどに???演出過多でおかしいやろどう考えても。
柏ステーションシアター
ブラック・ダリア
THE BLACK DAHLIA
2006年 アメリカ
監督:ブライアン・デ・パルマ
出演:ジョシュ・ハートネット、アーロン・エッカート、スカーレット・ヨハンソン、ヒラリー・スワンク、ミア・カーシュナー