友人オススメということでビデオを貸してもらって観ました。DVD化されていないらしく、なにげに入手困難なようなので非常~~~に緊張しながら鑑賞。うちのビデオデッキはほとんど使ってなくて、うっかり巻き込んでしまったらどうしようかとドキドキ。お金で解決できないというプレッシャーはけっこう大きい。しかも映画の内容も憂鬱でどんよりしてるので更に気分が・・・。
この映画、タイトルすら今まで全然聞いたことなかったんですが、いいですね、こういう隠れた佳作的映画に思いがけず出会えるのって。他人から薦められて知らない映画を観るのってすっごく好きです。自分の好みだけで映画を観てると、どうしても偏ってしまうんですよね~、そうならないように意識してても。
そして映画の感想。いい感じで面白かった。ジャンルはサスペンスにちょっとホラーテイストが混ざった感じでしょうか。とある一家の悲劇ですが、あんまり家族で見ない方がいいかもしれません。特に小さい子供さんに見せるとちょっとしたトラウマになってしまうかも?
・・・ここからあらすじ(ネタバレなし)・・・
平凡ながら幸せに暮らす家族を襲った突然の不幸。父の突然の死を境に劇的に人生が変わってしまいます。残された母、長男、長女、幼い双子の兄妹は生きて行くために離縁状態にあった母の実家に身を寄せることになりました。そこで待ち構えていたのは鬼婆(祖母)。かなりの資産家(今風に言うとセレブ)である先の長くない祖父(母親の父)から遺産相続の許しを得る為、ひたすら我慢する一家。愛する母のため、げっそりやつれながらも鬼婆の容赦ないイジメに耐える子供たち。ところが徐々に愛する母の態度も変わり始め・・・・・。
・・・ここまであらすじ・・・
と、この鬼婆どっかで見たことあるなぁ~なんて思ったんですが、思い出しました!「カッコーの巣の上で」に出てたこれまた鬼看護婦!こりゃ元々そういう人なのかと思ってしまうくらい震え上がるほど恐ろしい女性を演じております。冷たい眼差し、静かなたたずまいの中にモアモアと発散される凄み。この人が突然ドアをバタン!と開けて入ってきたり、背後にいつの間にか立ってたりしただけでモーレツに恐かったです(^^;
そしてイジメが半端じゃないんです。けなげな子供達相手に容赦ないし。精神的にジワジワと追い詰めるのが上手いというか。決して希望を持たせないイジメです。救いがありません。見てる側としてはわずかでもいいから・・と人間としての心を見出そうとするのですが、それすら皆無。血のつながった間柄とは到底思えません。孫が可愛くはないのでしょうか。まぁ見てたら娘(子供達の母)すら愛してる様子は感じられませんけど。
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ここからネタバレを含みつつ書いてますので、未見の方はご注意下さい###
とにかく鑑賞後の気分は憂鬱そのものなんですが、途中のちょっとしたエピソードもどれもこれも憂鬱。途中から、兄弟が信じてた最愛の母までもが裏切りつつあると気付いていくんですが、その様子のけなげなことと言ったら。目の前につきつけられる事実、でも母を愛する気持ちもあって信じたくない心の葛藤。このへん私もちょっと信じたくなくて、ひょっとしたら母親は何か深い事情があってこんなひどいしうちをしてるのではないかとさえ思いました。というか思いたかった。
結局、子供がいた場合遺産は自分のものにならないと知った母親が本当に我が子を殺そうとしてたわけです。この辺の説明が遺言書の写し1枚によるものだけなので、やや唐突な感も否めず、あの母が本当にそんな考えを・・?なんてちょっと説得力に欠けるかな。でも実際の世界でも保険金殺人とか普通にありますからねぇ・・・。この母親の家系はかなり異常である雰囲気も漂ってますし。
そしてその異常さはやはり子供達にも宿っているのでしょうか。けっこうゾクリとさせられる場面多し。ある日母親が子供達のもとを久しぶりに訪れ嬉しそうに「いい事があったの」と告げます。すかさず子供達「おじいさまがついに死んだの?」げっそりやつれた青白い顔の中で目だけが輝いてましたから。それにラストの母親の悲劇に直面した兄弟たちの無表情な様子といったら。
お金持ちってみんなあんなに大変な思いをしてるのでしょうか~。遺言のことは置いといて、とりあえず仲良く遺産を分けるとかって考えはないわけ?もしかしたらこの映画、お金持ちが見ると凡人とは違った感想を持つのかもですね(^^;
屋根裏部屋の花たち
FLOWERS IN THE ATTIC
1987年 アメリカ
監督:ジェフリー・ブルーム
出演:クリスティ・スワンソン、ルイーズ・フレッチャー、ヴィクトリア・テナント、ジェブ・スチュワート・アダムス