神秘的な海洋ドキュメンタリーの・・・ではなくて、B級チックな鮫パニックものの方です(^^ゞ
こっちの方が先に出てるのにネーミングかぶってもったいないもったいない。しかも舞台は同じ海でもテーマが正反対という皮肉さ。
はっきり言ってなめきってました、この映画。思ってたよりきちんと作られてるし、ばっちりツボも押さえてます。鮫が大暴れという意味ではジョーズ、海中の建物からの脱出劇という意味ではポセイドン・アドベンチャーということで、両方を合わせたゴージャスな映画とも言えるかも。結局どちらも微妙に惜しい!っていう出来具合でしたが。
驚いたのがサメ。本物なのか合成なのかCGなのかはたまたハリボテなのか、見分けがつきません。実際にはあり得ないシーンなんかは明らかにCGなんだろうなーと想像はできますが、そう思いつつ見てもよくできてました。ただ、パク!っと食べられるシーンの人間の方が逆にうそ臭い感じ(笑)
期待を裏切らないエグイ場面作りにスタッフの情熱が感じられました。ストーリーもありきたり・・・と思わせておいてかなーり掟破りなんかもしてくれてます。
その掟破りのせいで人によっては鑑終わった後の気分はイマイチかも。私はそれなりに楽しめました。ただ一点、インコの扱いを除いては。
主要人物のうちの一人、黒人コックが飼ってるという設定だったインコ・・・というかオウムですね。おそらくボウシインコ。意外と出番が多くて嬉しかったんですが、いかんせん映画のジャンルが悪かった・・・。これ以上詳しくは書きませんが。
それにしても黒人コックの肩に乗ってる時、ボウシインコとは思えない程小さく見えたんですが、もしかしてこの人、もの凄い巨漢?どうやら有名なラッパーらしいですね。エンドロールはこの人のオンステージでした(笑)
有名ラッパーだからなのか扱いが良すぎ。役どころもおいしかったし、もしや主役か?ってくらい頑張ってました。全然イヤミな感じじゃなく素直に応援したくなるいいキャラに仕上がってて良かったです。
掟破りな展開があるとは言え、やっぱり基本は人食い鮫から逃げ惑う人間に焦点を当ててます。これ、ふと思ったんですが鮫の気持ちになって観てみるとまったくもって違った意味合いを持つ映画になりますね~。そっちの方が悲しげでドラマとして感動できそうです(笑)一応サメには目的があるらしいので。
この映画が派手でサスペンスフルなシーンが多いのは、やっぱりあの偉大な「ジョーズ」があったればこそだと思いました。ジョーズで描かれた恐怖がすでにある分、土台になる部分は高めに作れたはずです。だって背びれをちょろっと見せて静かに向かってくるシーンをワンカット入れるだけで盛り上がるんですもんね。
ディープ・ブルー
DEEP BLUE SEA
1999年 アメリカ
監督:レニー・ハーリン
出演:トーマス・ジェーン、サフロン・バロウズ、LL・クール・J、サミュエル・L・ジャクソン