非常~に忙しい合間をぬって観てきました。
これはかなり見逃したくないと思ってたんですが、そういう作品に限ってなぜか上映期間が短く、公開劇場も少ない・・・。
タイムスリップ系のサスペンスっていうイメージを持って観に行ったんですが、思ってた以上に刺激的でショッキングな作りだったのにちょっと驚いてしまいました。
観る前はストーリーに惹かれたんですが、観終わっての印象としては映像が気に入りました。
押さえ気味な色調、ザラついた画面質感、過去のシーンがことごとくノスタルジック。
かなり憂鬱な気分になってしまい凄く疲れたんですが、後から後から色々考えさせられるというか、色んな可能性が広がるディテールの細かさがいいですね。
タイムスリップもの・パラドックスものの宿命のような矛盾点がいくつかあるんですが、そういうのをあまり気にしないで観られる展開でした。
とりあえずその場その場での説明はかなり上手く処理してある感じ。
結局後から思い出して理解に苦しむことにはなるんですが(^^;
こういうタイプの映画はネタバレを避けて語るのはかなり難しい・・・。
まあ人によって色んな解釈ができる映画でもあるので、ネタバレに当たってしまってもこの作品の本来の面白さが損なわれることはあんまりなさそうですけど。
私個人としてこの映画は過去にタイムスリップして未来(現在)を変えたというよりは、どちらかというとパラレルワールド、並行世界という概念でとらえたいなぁと。
通常、並行世界は相互干渉はできないものですが、主人公はそれに干渉できる能力を持っているんじゃないかな?とか。
主人公が選択しうるあらゆる可能性が存在する世界が無数に広がってて、主人公はその中のいくつかの世界を選択しているのではないか。
映画で選択していない世界は、それは知りようがないし知ったところで意味のないこと。
これって複数の宇宙が存在する理論。
もしくは「シュレーディンガーの猫」と呼ばれる事象。箱の中の猫は死んでいるのか、生きているのか。それは開けてみなければわからない。開けられない場合中味は絶対わからない。開かない以上自分とは関係のない事物なので、生死を知っても無意味。
で、映画では無数にある事象のうちいくつかのパターンが描かれたのかもしれない。映画で語られていない世界の主人公は他の選択をして他の人生を送っているかもしれない。
どうやらディレクターズカット版というものがあり、別エンディングが存在してるらしいです。
これって↑上の並行世界説から考えるといくらでも出来そう。
あと、主人公は過去に戻る能力ではなくて未来を知る能力を持ってる、という考え方もできるかなぁ。
選択しなければならない場面に、この未来であって欲しいという選択をしてるとか。
ただこの場合は主人公のみの世界というか妄想と考えられなくもない、悲しいオチになってしまうか・・・。
しかもこの場合映画タイトルの意味である、些細な出来事が他に意外な影響を及ぼすといった効果が薄れてしまいますね。
そして、タイトルと相反する考えなのかもしれないけど、結局全ては最初から決まっていたんじゃないの?っていう感想も持ってたりします。
ところで別に存在するというエンディング、ネットで検索して知ってしまいました。
私としてはこの別バージョンの方が好みかも・・・。
できることならここは避けたい!と思ってる柏シネマサンシャインにて鑑賞。
バタフライ・エフェクト
THE BUTTERFLY EFFECT
2004年 米
監督:エリック・ブレス
主演:アシュトン・カッチャー、エイミー・スマート