ミリタリーマニアとか戦艦オタクでは決してないんですが、大好きなんです。このテの映画。
ナチスドイツ軍のUシリーズも実務的で好きですが、米軍の戦艦のネーミングが最高にカッコいいじゃないですか!
空母艦もシンプルで好きですが、なかでも戦艦は見た目も美しく最高です。
ネーミングに限ってはわが国が一番しゃれてると思いますが。
て言うか、性能も戦力もかなりのもの・・・とあんまりこの辺書きつづるとヘンな人が寄ってくると恐いので深く追求しない(^^;
潜水艦ものというと、クラシックの名作と言っても過言ではない「眼下の敵」から、比較的新しい系では「クリムゾン・タイド」まで、男の映画として最高にドラマチックな作品が多いです。
閉塞感漂う艦内に走る緊張の連続と、そこから生み出される数々のドラマ。
想像しただけで、くぅーーーー!
とまぁ、この作品にはそこまで「くぅーーーーー!」は期待してなかったんですが(笑)
案外いけました。
期待値が低い時に良さげな映画に出会えるってのが、もっとも幸せ気分になれるんですよね。
期待通りのB級映画だったとも言えます。←びか流、最高の褒め言葉
一般的に戦争映画っていうのは、ひたすら凄惨な光景が続き気が滅入ってくるかウンザリしてくるものです。
その中に数々のドラマはあるものの、あくまでもメインは「戦争の悲惨さ」であって、観終わった後の気分はもう最低。いや、好きなんですけどね、戦争映画。
ところが潜水艦ものになるとアラ不思議!
戦争が根底にあるとはいえ、あくまでも人間ドラマがメインとなることが多く、とても爽やか。
だてに裕次郎が海の男を気取ったわけではありません(笑)
「敵ながらアッパレ」といった状況や見どころもたくさんあったりして、戦争はどちらか片方が良い悪い的なレベルではないことも感じられます。
本作でもこういった要素はきちんと盛り込まれており、かなり爽やかさんです。
ドイツ兵がきちんとドイツ語を喋っており、最初は未知の異国人ゆえの不気味さがあるんですが、いつの間にか親近感がわいてるあたり上手く描いていました。
何よりもドイツ軍艦長がかっこいいのが一番の拾い物。
てゆ~か~、主人公の周囲の人々のイイ男率激高!
その中で主人公の老け具合が際立ってて、伊達に年齢を重ねちゃいねーぜって言いたかったのかなと。
ストーリーは想像してたのとかなり違ってて、そう来るかー!って心の中でツッコミ三昧。
展開がやたら早くて多少強引かつ説明不足な感はありますが、飽きなくていい。
ツッコミどころとして最高のポイントは、潜水艦内がかなり広くけっこう快適そうなところ(笑)
あと、潜水・浮上にかける(製作上の)時間がかなり短い。というか一瞬。
潜水艦vs潜水艦の超接近戦ってのも、かなり笑えます。マンガかよーって。
その辺詳しく知らないのでナンとも言えませんが、そういうシチュエーションってありですかね?
通常は潜水艦vs駆逐艦になるのでは・・・って思うんですが。
それから、スタッフの遊び心だと思うんですが、ドンブリの底にハーケンクロイツのマークがあったのは大爆笑(心の中で)。
なんだか現代の「将軍様の国」を連想させます。
やたら美化された「将軍サマの勇姿」がいたるところにある妙な映画、今後いつか製作され笑って見られる日が来るのかも。
あくまでもB級(=作品の質ではなく低予算)なので、爆発シーンなどは迫力に欠けるし、ん?今のミニチュア?って一瞬頭をよぎったりします。
そういうのが笑って許せる人で「オトコの映画」が好きな人は観ておいても損はないと思いますよ。実際の過去の記録映像も見られるし。
ただ単に単館系がスキというオシャレ系さんにはおすすめしません。
日比谷スカラ座2にて
Uボート 最後の決断
IN ENEMY HANDS U-BOAT
2003年 米
監督:トニー・ギグリオ
主演:ウィリアム・H・メイシー、ティル・シュヴァイガー、トーマス・クレッチマン