ゴロゴロしあたー
ベルリン・天使の詩
b0047061_22414595.jpgドアtoドア40分ほどの所に名画座があると知り、今やってるのはヴェンダース特集ってことで早速観てきました。
ヴェンダース・・・私にとってはジャームッシュやフェリーニと並んで、観るタイミングを慎重に選ばなければならない監督でもあります。
彼らの作品、超直球ド真ん中!で心の中に入り込んでくる時もあれば、かったるーくダラダラと苦痛を味わうだけの時もある諸刃の剣。
同じ作品なのに観る時の精神状態や環境など、ちょっとした要素で人生に影響を与える作品になりうるんですね。

で、このベルリン天使の詩については一度ハタチの頃に観たことがあります。
高校生の頃から、古き良き時代の映画や一般に名作と言われてる映画を意識的に観始めた頃でもあり、ネームバリューのみで観まくっていた中の一本でした。
マイベストでもある「アラビアのロレンス」に出会ったのもこの頃。ロレンスが直球で響いたのに反し、ベルリンはそりゃもう苦痛でしたね(笑)とにかく派手さがなく淡々と人生の深い部分をえぐり取る詩的な作風が若い私には合いませんでした。同様に合わなかった端的なものに「天井桟敷の人々」やフェリーニの一連の作品群。

今回はフィルムでの上映ということで、製作側の望む環境で鑑賞できるチャンスですから、見ないわけにはいきません!
結果、大正解とまではいかないけど、全体の半分程度のシーンで心を動かされました。
詩的なセリフについては苦痛どころかとても心地良く耳に響いてくるし、傷の入ったモノクロ映像が劇場という特殊な空間の中で私を完全にトリップさせてくれました。
他のお客さん達(全部で5人ほど)が死んでいるのではないかと思うほど物音一つしなかったのも恵まれていました。もしポップコーンをもさもさ噛む音とかイビキとかが入ってくる環境だったら、そのまま作品に影響したような気がします。
作品と自分が真正面から向き合うことができました。

映画のあらすじは東西に分断されたドイツが舞台の、人々には見えない天使(見た目おやじ)視点の人間模様といったところ。
天使たちと我々がともに人々を見守ることで何かを感じることができます。人々の淡々とした心の叫び一つ一つが美しいんです。生きることは辛く厳しいけれど何物にも代えがたい素晴らしいことでもあると静かにせまってきます。
明確な答えはありません。ストーリー性は持たせてあるけれど、あくまでも付加価値的なもので、一人一人の詩のような独白が波のように押しては引いていくシーンの積み重ねがメインです。

ピーター・フォークが本人役(コロンボとしての俳優)として登場していますが、とても温かくて際立っています。彼の出ているシーンは突出して良いと思う。
舞台がベルリンであることも凄い。ヒトラー映画を撮影しているフォークたちや壁の落書きを見て美しいと口走るブルーノ・ガンツ。監督にとっては全てに意味があるんだろうという説得力があります。私には半分も理解はできませんが(^^;
あることがきっかけで変わる天使ブルーノ。変化後の表現が凄いんです。躍動感とか息吹とか、なんだかわからないけど観ていてとても高揚します。

ちなみに当時(80年代)のニック・ケイブのステージを見ることができますが、彼を起用したこともまた大正解って感じ。非常に暗くて退廃的で時代感がよく出ています。
彼の独白がこれまたかっこいいんですよね。これぞロックっていうか(笑)

今すぐもう一回観ろと言われてもちょっときつい映画だけど、また数年後・数十年後に観ると間違いなく感じ方が変わる映画だろうな~。

北千住シネマブルースタジオにて。

ベルリン・天使の詩
DER HIMMEL UBER BERLIN
1987年 西ドイツ・フランス
監督:ヴィム・ヴェンダース
出演:ブルーノ・ガンツ、オットー・ザンダー、ソルヴェーグ・ドマルタン、ピーター・フォーク
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by bi_ka | 2006-11-08 22:33 | 映画(感想) 
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映画の感想を書いています。新旧ジャンルを問わず映画大好き。Z級からハリウッド超大作まで(・∀・)
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