すっごい面白かった。そこそこは期待してたけど、期待以上にどきどきわくわくできて良かった。
一つ残念だったのはグッズの宇宙食が買えなかったこと(;ω;)
公開前日に数々のスーパーマングッズがすでに配置されてるのを見て、でも販売は明日からですってなってて後ろ髪をひかれつつ帰りました。
その後やっと私も劇場にリターンしてきたんですが、お目当ての「たこ焼き」と「バニラアイス」はもう影も形もなく、謎の「おもち」だけが若干残ってました。たこ焼きとアイスが欲しかったんじゃぁぁ!!
・・・作品の出来とは一切関係ない個人的エピソードでした。
ここからネタバレあります。
なんか久しぶりに正統派のスーパーヒーローものを見せてもらったような気がして胸がすく思い。
今時のはやりのせいか多少悩めるヒーロー像に重きを置きすぎてるような気もしたし、クラーク・ケントの存在感がめちゃめちゃ薄すぎるのも気になったけど、スーパーモード時の格好良さですべて許す。
クリストファー・リーブに雰囲気がよく似た新人さんを発掘してきたというのはすでに有名な話になってますが、本当に超はまり役。アメコミのヒーロー全部彼にお願いしてもいいってくらいのパーフェクト!なルックスっすよ~。まぁ宇宙人っていうか人間離れした雰囲気を醸し出したり合成背景と合うように本人自身にも多少CG処理とかしてるのかもしれないけど。
ちなみに純粋に旧作の続編ということらしいのでクラーク・ケント自身の年齢設定は多分30代半ばあたりと思われるんですが、ちょっと若返りすぎたかな~っていう違和感もなくはない。まぁ宇宙人やから何でもありっていうことで他の細かいツッコミも含め全て解決(笑)
オープニングのあのテーマソングとともに映し出される宇宙映像の素晴らしかったこと!あれスーパーマン視点なんですよねぇ。ブラックホールみたいなところにも飛び込んでて笑った。
序盤のスペースシャトル大救出劇はこれ以上ないくらい派手なスーパーマン復活のエピソード。作品の中に住む人々が復活に大感激したようにスクリーン前の観客も同じ気分になったことでしょう。帰ってきた感の強い良いシーンでした。
機内であちこちにぶつかりまくるヒロインのタフさにあきれつつも、彼女が窓を見た時にスッとスーパーマンが横切るシーンにちょっと感動。これって一作目で少女時代のロイスが汽車に乗ってる時に横を青年スーパーマンが飛び去っていくシーンへのオマージュなのかな。
スーパーマンといえばテレビの洋画劇場で育った幼い私にとっては、かなり大人っぽい印象の映画だったんですが、そこは単純な勧善懲悪ヒーロー物というだけではなく純粋な恋愛がからんだお話だったからなのかもしれません。なんて、まぁ実際には一歩間違えばちょっとヘンタイのようなコスチュームと大人の男のフェロモン出まくりなリーブによるところが大きいんでしょうけど(笑)
そういう大人の恋愛映画的な雰囲気が新作でもきちんと出ていたのが凄く良かった。2人で空を飛ぶシーンなんておとぎ話そのものだし、その分アクションが減っているような気がするのも致し方ないかなぁとか思ったり。鑑賞直後はやっぱり大画面で迫力の映像がもっと観たかったとか思ってしまったけど、落ち着いて考えたらスーパーマンはこれでいいんだと思いなおしました。
脚本的に一番驚いたのは子供のエピソード。予告ではそのまんまロイスが待つことに疲れて普通の結婚をして落ち着いてしまったんだと思ってたけど、まさかスーパーマンの子だったとは。まぁ普通に考えたらアリなんでしょうけど、完全に予告に騙されましたね。いい意味で。
おかげでピアノが吹っ飛んだシーンで最高にしびれました。
何度か出てくるセリフとともに作品に流れる「スーパーマンは必要か」というメッセージもなんか心に残りました。便利なスーパーヒーローがいると人は完全に頼ってしまってダメになると思うし、たくさんの命が消えてしまうような大惨事も運命として受け入れなければいけないと思うし、そこから学ぶことこそが大切なんだと思うし。まぁ他人事だから言えるのかもしれないけど。スーパーマンの父もそれっぽいことを言ってますね。
で、最終的にこの作品では「スーパーマンは必要」という回答にいたっていると思うんですが、結構上手くまとめてあると感じました。スーパーマンは人々の希望ということなんでしょう。それを象徴するエピソードとして病院に担ぎ込まれるシーンが描かれていました。この辺とてもアメリカちっくな作りだけど、それが良い方向に利用されている。人間がスーパーマンに頼りっぱなしなだけではなくスーパーマンもまたそういう人々からエネルギーをもらっているという事。
助けてもらった人々は飛び去るスーパーマンに感謝を表すし、助けてもらって当然といった態度は皆無ということからもその点が伺えます。
それと相まって悪役レックス・ルーサーが自分を「神から炎を盗んで人間に与えたプロメテウス」と称しているところも上手く関連付けされますね。
ヒーローものなのに悪役との対決に物足りなさを感じる人もいるかもしれませんが、スーパーマンではこれでいいんです。と私は思う。やっつけるのではなく人間を守るのが目的だと思うし、悪が退けば強引に止めをさすこともしない。続編に続けたいという大人の事情ももちろんありそうですけど(笑)
ということで脚本は本当に満足いくものでしたが、編集がちょっと雑なところがあるかなという感じを受けました。長過ぎるほどの上映時間。細かすぎる描写もどうかと思ったけど、大きなくくりでの場面転換とかストーリー進行における編集の仕方がちょっと適当すぎやしないか?スピード感を出すための大胆な編集はありだと思うけど、そういうのとは違うような気がした。
ところでロイスの同棲相手の人、X-MENのサイクロップスだったんですねぇ。さすがにXメンでは目が出てなかったから気付かんわ、こりゃ~(笑)顔が堂々と出せて、しかもイイ人の役がもらえて良かったねぇ。
続編があればきっと彼もまた登場するでしょう。Xメンの彼がどうとかじゃなく単純に続編が観たい!
MOVIX三郷にて
スーパーマン リターンズ
SUPERMAN RETURNS
2006年 アメリカ
監督:ブライアン・シンガー
出演:ブランドン・ラウス、ケイト・ボスワース、ケヴィン・スペイシー