クリストファー・ウォーケン主演。これずーっと観たかったんですが、意外とレンタル屋さんで見かけることがなくって機会を逃してました。
久々にレンタル屋さんに行ったらDVDが入荷されてて即ゲット!作品の出来云々とは関係なくウォーケンファン大満足の一本という噂を聞いていたのでもうホクホク(^v^)
確かに全編ウォーケンだらけ。これでもかという程、眼光鋭いウォーケンが出まくり。これ2000円以下の廉価DVDが出たら買おう。
フォーサイス原作ということで、「ジャッカルの日」のようなわりと地味で淡々とした心理描写や細かいディテールのこだわりのある映画なのかな~と思ってたんですが、まぁ概ねそんなところでジャッカルよりやや落ちるって感じ。それでもウォーケンの存在感もあってけっこうよくまとまっています。
前半は傭兵ウォーケンの地味な日常を描き、間にちょっとしたメロドラマをはさんだ後はひたすら傭兵仕事をこなしていく描写へ。派手な映像はラスト15分程度で、それ以外はまさに「傭兵という仕事」を描いているだけなので、退屈と感じる人もいるかも。
でもこの映画の醍醐味はやはり「傭兵という仕事」を描いている点だと思うので、ぜひともそこを楽しむべきでしょう~。傭兵にもそれぞれ担当分野があって武器調達係、輸出入係、武器の荷造り係、商人との交渉係・・・などなどまるで一般企業と何ら変わりはなさそう。
ここでは4人の傭兵がメインとなってるようですが、やや丁寧さに欠ける作りというか何度も観ないとちょっと複雑に絡み合っててわかりづらい部分でした。ちなみにこの中の1人はトム・ベレンジャー。大した役ではなく、やや他の傭兵よりおいしいシーンを持ってる程度の存在です。
もう一つの見所はやはり真の主役とも言うべき武器群。バラエティに飛んだ銃火器類が地味にあちらこちらで登場。それらがほぼ全部と言っていいほど各所できっちり使われていました。撃ち終わった後の弾の詰め替えとか細かい描写も。細かいと言えばウォーケンの自宅の冷蔵庫に銃があったり引き出しに何気なくあったり、とても普通のことのように描かれていたのが興味深かった。
全体的には本当に地味で淡々としており、しかもやたらと意味のないカットが多く、ちょっと疑問に感じる部分も少なくはないですが、ウォーケンを堪能するという意味では彼の出演作の中でもけっこう上位にランクインされるのもうなづけます。しかも地味な傭兵役のわりにこまめに衣装を変えてて、モデルかと見まごうばかりなんですよ。全身黒タイツのモジモジ君スタイルも何ら笑えることもなく、むしろおしゃれにさえ見えてしまうところも凄い(笑)
「ディア・ハンター」とはまた違った戦争の狂気を表現しているウォーケンはやっぱり凄い。静かな凄味があの紳士そのものの佇まいと鋭い眼光から発散されまくり。普段の彼はとても穏やかな紳士らしいので、プロ根性ここに極まるって感じっす。
戦争の犬たち
THE DOGS OF WAR
1980年 アメリカ
監督:ジョン・アーヴィン
出演:クリストファー・ウォーケン、トム・ベレンジャー