公開がめちゃくちゃ待ち遠しくて楽しみにしてた映画。
古き良き時代のホラー映画テイストがありそうで、ちょっとゴシックホラーも入ってそうなヨカーン・・・。
「肉の蝋人形」のリメイクとのことですが、タイトルを知ってるだけで未見。リメイクと言ってもどうやらオリジナル色が強いらしい。ますます期待。
すっごいはりきってネットで座席予約。この時点ではどうやら貸切!?あえて平日のレイトを選んでみたのはそんな思惑もあったんですが、結局20人ぐらいの入り。ちょっと残念。でも意外とホラーマニアがいることに驚いた。しかもカップル率高し!(笑)彼氏に無理やり連れてこられた気の毒な女性がいるかもー?と思ったけど、途中退場ゼロというのが全てを物語っていました。まぁ私自身も率先して連れと行ったんやけど。案外、痛いシーンとか血がドバドバとか女性の方が平気だったりしますね。
で、感想はかなり満足でした!前半がちょっとだるかったけど、それはいつ蝋人形館が出てくるのかっていう期待が強すぎた故のだるさであって、ドラマの出来そのものはかなり丁寧に作られてました。やや引っ張りすぎの感はあるけど、後でジワーっと良さが出てくるのに効果的っていうか。
冒頭のシーンはかなりシビれました。掴みバッチリみたいな。5分程度のとある風景で、サスペンスとか殺人鬼ものにありがちではあるけど、何かが起こりそうなゾクゾク感出まくりっすよ。背徳感バリバリ。
登場人物もなかなかの粒ぞろいで良かった。ヒルトン姉妹の姉の方かな?が出てますが、単なるネームバリューとかお飾りなのかなぁって思ったけど、全然そんなことなかったです。
ブロンド美人というだけで映えるし、演技もきちんとしてました。見せ場もけっこうあったし。ハリウッド大作の主役をはるにはどうかと思うけど、こういうB級ホラーならかなーり使えると見た(笑)ちょっぴりお色気も披露してくれてます。
個人的に主人公の兄がカッコ良かった。役柄が渋くてカッコ良かったからそう見えたのかもしれませんが、ルックスというか雰囲気がなんかネオナチっぽい。経歴を調べたら全然大したことなかった。これから活躍の場が広がればいいなー。
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ネタバレを含みつつ書きたいので、未見の方はご注意を ###
待ち遠しかった蝋人形館が登場した時、けっこう感動してしまいました。
待たされ時間が長いほどうまみが増すものなんですかねー。館の立地条件がまた良くて。やたら退廃的な町の片隅の坂道に立ってるあの景色、素晴らしい。ヒロイン達が町やら館やら犯人の自宅やらを何度となく行き来しますが、物凄くわかりやすいマップ構成(笑)ちなみに館の内部自体もわかりやすい間取りでした。この辺、製作段階でよく練られたんだろうなー。
あと、時間の経過の描き方もセンスいいと思いました。最初町に入った時は明るい昼間だったけどいつの間にか夕闇に。この夕闇の中途半端な暗さがまた不気味で。
映画を観る前にネタバレに触れない程度にちょこっとネット検索したんですが、残酷描写が物凄いと書かれてて、その辺気合入りまくり。期待しすぎたのか思ってたよりは大したことなく、そのもののトータル時間で考えても少なめだったように思います。
それに一番期待してた生身の蝋人形化作業もなんか機械的というかあっさり風味でちょっと肩透かし。実際の蝋人形化シーンがわずか一回だけというのは少なすぎませんか~?色々と趣向を凝らして登場人物みんなを蝋人形にして欲しかったっす。
ちなみにヒロインの彼氏が一番悲惨な死に様だったけど、可哀そうとか全然思えないバカ丸出し行動はツボでした(笑)真っ先にやられる空気漂いまくり。最後にピアノごと沈んでいく時はすでに死んでたんでしょうかね。あのシーンでヒロインとちょっと目が合ったりとかのドラマを期待したんですが、すでにザコ扱いでした(;´Д`)
最後の館炎上のシーンは、今私はなんの映画を観てるのだろうと思うほどハリウッド大作してましたよ。思わぬところで一大スペクタクル映像に出会えてちょっと得した気分。ヒロインがバットで殴打しまくりシーンもブラックな爽快感。終わってみればヒロインの負傷やら兄のそれなりの活躍っぷりなど、今までの殺人鬼ホラーとはちょっと違う感覚。取ってつけたようなラストの小ネタは微妙かなー?
MOVIX三郷にて。
蝋人形の館
HOUSE OF WAX
2005 アメリカ
監督:ジャウム・コレット=セラ
出演:エリシャ・カスバート、パリス・ヒルトン、チャド・マイケル・マーレイ、ブライアン・ヴァン・ホルト