ゴロゴロしあたー
墜落遺体―御巣鷹山の日航機123便
b0047061_0201576.jpg日航ジャンボ機で犠牲になった520人の身元確認作業に焦点をしぼった本。
現場で確認捜査の指揮をした著者が、事件発生から最後の1人の確認にいたるまで詳細につづった衝撃的な内容。
よくぞここまで書ききってくれた、と思う。

遺体の損傷の激しさに関する描写を読むだけで、命について考えさせられる。
人間ってこんなにあっけないのか、人体はここまでバラバラになってしまうのか。
単なる離断だけにとどまらない。
丸まった泥のような塊を丁寧にほぐすと眉が出てきて、更に広げると顔面の半分だけの皮膚であった、とか顔の中にもう1人の顔が重なっていた、等々・・・。
こういった状態でもまだマシと言えるほど、歯が数本だけとか肉塊でしか体を発見できなかったケースも多かったらしい。
多分著者はあえてこのような生々しい状態を書いたのだと思う。

そして遺体確認のための検視作業の過酷さもよく伝わった。
当時ニュースなどでは報道されたのかもしれないが、このように現場の人が克明に語ってくれて初めて、どれだけ多くの人が極限状態の中で作業をされたのか気付かされる。
猛暑、締め切った体育館、凄まじい臭気、人手不足、終わりのない検視作業、そして遺族への気遣い。
この密閉された特殊な空間の中でスタッフ達は遺族と心理的に同化していった、とある。遺族と心が通い合うという意味はもちろん、自分達自身が遺族になったような空間だったらしい。眠っているかのような幼児の頭部だけの遺体への愛情とも言える何かが生まれている。
心身ともに限界を超え、精神的に異常をきたした異様な状態であったこともうかがえる。
心のケアに関しての研究が進んでる今ならまだしも、当時はまだまだそれほど重要視されてなかったのではないだろうか。

どんな小さな情報でも必死に確認作業を続ける遺族たちの姿と、それに何とかこたえようとするスタッフ達の献身的な姿。
この執念とも言える長い長い戦いは最後の1人まで全ての確認作業に約三ヶ月かかっている。
この本、ぜひ多くの人に読んでもらいたいと思う。
[PR]
by bi_ka | 2005-08-13 00:55 | 本 
<< 映画宣伝商材が好き ミート・ザ・ペアレンツ >>



映画の感想を書いています。新旧ジャンルを問わず映画大好き。Z級からハリウッド超大作まで(・∀・)
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30
カテゴリ
映画(感想) 
 ├目次・あ行~さ行
 ├目次・た行~は行
 └目次・ま行~わ行
映画(感想以外) 
日記+その他 
おやつ&B級グルメ 
おでかけ&地域&旅行
音楽 
本 
ゲーム 
プロフィール
以前の記事
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
more...
最新のトラックバック
デンジャラス・ラン
from ここなつ映画レビュー
『大脱走』は脱走を描いた..
from 映画のブログ
プルートで朝食を/時代の..
from 映画感想 * FRAGILE
柏最後の映画館
from 増田新の写真日記
アイアンマン 鋼鉄の騎士..
from RISING STEEL
ウルヴァリン:X−MEN..
from RISING STEEL
パンズ・ラビリンス
from RISING STEEL
アバター−映画感想:20..
from デコ親父はいつも減量中
ディープ・ブルー
from こわいものみたさ
岡半 本店
from 食べ歩き.jp
タグ
(106)
(71)
(68)
(52)
(50)
(45)
(44)
(41)
(28)
(26)
(25)
(25)
(21)
(20)
(18)
(16)
(15)
(15)
(13)
(12)
フォロー中のブログ
the borderland 
samuraiの気になる...
怠け者の右手
Dalmatian Do...
小六のB級A画館
ポカリと酒と建築と
記事ランキング
検索
その他のジャンル
ブログパーツ
ファン
ブログジャンル
画像一覧