パニック映画大好きとしては予告編だけでわくわく!
それがどこでどう間違ったのか、予想外の展開でトンデモ映画でしたー。
無駄な思わせぶりとか微妙な空気とか終始シャマラン映画を観てるような感覚。
以下ネタバレありです。
ニコラス・ケイジのくたびれ具合は相変わらずいいんですが、この作品にはちょっと合ってない感じ。
でもニコラスが出てないと観るのがつらいダルさもあったので、結果としてニコラスでOKです。
結局、ニコラスの行動は何の意味もなかったのに近い状態で終了したのは・・・観客それぞれに考えてもらうための投げかけと取っていいのでしょうか?
50年前の少女の行動を初めとして、自殺の意味や黒い石などよくわからないまま放置が多いです。
脚本の詰めが甘いと取るのか、これまた観客それぞれに(略)と取るのか。
だまって選んで連れてけばいいだけなのに、って映画として成り立たなくなるから言っちゃダメな部分でしょうけど、それにしても消化不良なところが多すぎました。
映像の見せ方が意外と斬新な部分もあり、結末も含め、なかなかの珍作に仕上がってるだけに脚本がもったいないです。まぁ素晴らしい脚本に珍作はありえないですけど。
一番楽しみにしていた災害の映像。これは文句なく素晴らしかったです。
ただ、予告編で観たものが全てと言っても過言ではないので、このレベルこのテクニックでもっと観たい!と思いました。
飛行機シーンは突出してよくできてるなぁと思います。ニコラスがガードマンに話しかけてから飛行機墜落~救護員到着までが切り替えなしのワンカットで構成されていました。ご丁寧に手持ちカメラで墜落直後の機体ズーム映像まで駆使しちゃってます。
だからこそのあの異様な雰囲気が出せたのだと思います。音響も凄まじく臨場感ありました。
もったいないのは炎がいかにもCGだったこと。映像レベルの低さもありますが、ニコラスの演技や合成も微妙だったのもあると思います。炎とニコラスの重なり具合が変だったし、全然熱そうじゃなかった・・・。
確か火と水のCGは難しいと聞いたことがありますが、もうちょっと工夫して欲しかった。
あとはラストの最後の審判シーンですねー。
おお、ほんまにそういう展開にするんや!ってイッキに気分が盛り上がりました。こちらももっと色んな都市でもっと長い時間観たかったです。
お迎えがやってきて、拳銃構えてたくせに素直に息子と乗り込もうとするニコラスに笑いを禁じえませんでした。
オマエはダメと突っぱねられ、そんなぁ~そこをなんとか~と懇願するニコラスもなさけなさ全開。
あっさり息子に捨てられてその場で文字通り泣き寝入りする姿はどう考えてもねらってます。
絵に描いたようなお迎え&飛び去り映像も爆笑をこらえるのがつらかったです。よくもまぁあれだけ堂々と恥ずかしげもなく描けたものよ!久々に笑いを我慢してプルプルしました。
ホラー、サスペンス、SF、カーアクション、コメディなど色々詰め込まれたお得映画でした。
特にホラー部分が光ってたのが複雑な気分。
あとベートーヴェンを使うのはちょっとずるい。ドラマチック度うなぎのぼり。
英語圏の人はどう受け止めたのか知りませんが、日本人としてはネタ映画として観ると楽しいと思います。
TOHOシネマズ流山おおたかの森にて
ノウイング
KNOWING
2009年 アメリカ
監督:アレックス・プロヤス
出演・ニコラス・ケイジ、チャンドラー・カンタベリー、ローズ・バーン、ララ・ロビンソン